離れて暮らす親の一人暮らしが心配になったら、最初にやることは次の5つです。どれも親が元気なうちにでき、お金はほとんどかかりません。

  1. 連絡のルールを決める(いつ連絡するか、つながらないとき誰が何をするか)
  2. 親の住む町の地域包括支援センターを調べて、一度電話しておく
  3. 近所や親戚の頼れる人と、連絡先を1枚のカードにまとめる
  4. 帰省したら家の中を見る(転びやすい所・冷蔵庫・郵便物)
  5. 見守りの入口を決める(親の負担が軽いものから)

漫画①『さとみさんちの実家じまい日記』「電話がつながらない」

漫画「電話がつながらない」。夜、自宅でスマートフォンを耳に当てたさとみが「お母さん、3日も電話に出ない…」と心配する。次のコマでは車を運転して「とにかく行ってみよう」と実家へ向かう。実家の居間では、母ふみが耳の補聴器に手を当てて「あら、補聴器の電池が切れてたのね」と笑い、机には電池のパックが置かれている。夕方、車のドアに手をかけたさとみのそばで、タヌキのぽん助が「元気なうちに“気づける仕組み”を作るぽん」と話す。※この漫画はフィクションです
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  1. 1コマ目:夜、自宅でスマートフォンを耳に当てるさとみ「お母さん、3日も電話に出ない…」
  2. 2コマ目:車を運転するさとみ「とにかく行ってみよう」
  3. 3コマ目:実家の居間で、耳の補聴器に手を当てるふみ「あら、補聴器の電池が切れてたのね」(机の上に電池のパック)
  4. 4コマ目:夕方、車のドアに手をかけるさとみのそばで、ぽん助「元気なうちに“気づける仕組み”を作るぽん」

65歳以上で一人暮らしをしている人の割合は、令和2年に男性15.0%・女性22.1%でした(内閣府「令和7年版高齢社会白書」)。女性の5人に1人以上です。同じ心配を持つ家族は、たくさんいます。


一人暮らしの親が心配なとき、最初にやる5つ【早見】

結論:「毎日見張る」仕組みより先に、「何かあったときに気づける順番」を作ります。

一人暮らしの親が心配になったら最初にやる5つ。①連絡のルールを決める(いつ連絡するか+つながらないときの順番)。②地域包括支援センターに電話(親の住所で担当が決まる。元気なうちから相談できる)。③頼れる人と連絡カード(近所・親戚・民生委員。連絡先を1枚に)。④帰省したら家の中を見る(通り道・冷蔵庫・郵便物)。⑤見守りの入口を決める(親の負担が軽いものから)。今週は①②だけ、次の帰省で③④、家族で相談して⑤。全部を一度にやらなくて大丈夫。
やることかかる時間お金くわしく
① 連絡のルール家族で10分0円連絡のルール
② 地域包括支援センター電話1本0円地域包括支援センター
③ 頼れる人と連絡カード帰省1回0円連絡カード
④ 家の中を見る帰省のたび0円〜家の中
⑤ 見守りの入口家族で相談月0円〜見守り

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全部を一度にやる必要はありません。今週は①と②だけ、次の帰省で③と④、という順で十分です。

① 連絡のルールを決める:頻度と「つながらないとき」の順番

結論:頻度は親子で決めた「わが家のルール」で構いません。大事なのは、つながらないときに誰が何をするかを先に決めておくことです。

連絡の頻度に公的な決まりはありません。「毎朝LINEのスタンプ1つ」「火曜と金曜の夜に電話」など、親が負担に感じない形を一緒に決めます。

つながらないとき、慌てて車を出す前に確かめたいのが電話そのものです。補聴器の電池、電話の着信音の音量、携帯電話の充電、受話器の置き忘れ。漫画のふみのように、機械が原因のこともあります。

連絡のルールの例と、つながらないときの順番。ふだんの連絡の例:毎朝スタンプを1つ送る、火曜と金曜の夜に電話、日曜の夜はきょうだいが電話。つながらないとき:時間をおいて固定電話と携帯の両方に→きょうだいに確認→近所・親戚の頼れる人に見てもらう→地域包括支援センター・警察に相談。車を出す前に、電話そのものも疑う(補聴器の電池・着信音の音量・携帯の充電・受話器の置き忘れ)。倒れている・急に具合が悪いなど命に関わりそうなときは、迷わず119番。

つながらないときの順番の例です。

  1. 時間をおいて、固定電話と携帯電話の両方にかける
  2. きょうだいにも連絡し、ほかの人が話していないか確かめる
  3. 近所や親戚の「頼れる人」に、様子を見てもらえるか頼む(③)
  4. それでも確認できず心配なら、親の住む町の地域包括支援センターや警察に相談する

倒れている、急に具合が悪いなど命に関わりそうなときは、迷わず119番に連絡してください。

親に「年寄り扱い」と思われない頼み方

「心配だから毎日電話して」と言うと、親は見張られている気がします。主語を「私が安心したいから」に変えると、受け入れてもらいやすくなります。

親に嫌がられない頼み方。「心配だから毎日電話して」→「私が安心したいから、朝スタンプだけ送ってくれる?」。「一人じゃもう無理でしょ」→「困ったときに頼れる人を、一緒に決めておこう」。「包括に相談しておいたから」→「どんな相談先があるか、聞いてみてもいい?」。コツ:主語を「私」にする/決めるのは親/先に聞いてから。ぽん助「見張るんじゃなくて、気づける約束だぽん」。

漫画②『さとみさんちの実家じまい日記』「電話に出ないときの順番」

漫画「電話に出ないときの順番」。夜、実家の居間でノートにペンを走らせるさとみが「電話に出ないときの順番、決めておこう」と話す。母ふみは窓の外を指さして「お隣の鈴木さんなら、頼めるわよ」。タブレットのビデオ通話の弟たくやが親指を立てて「俺は日曜の夜にかけるよ」。最後にさとみが冷蔵庫に「れんらく表」を貼り、メモ帳を持ったタヌキのぽん助が「1枚にして、冷蔵庫に貼るぽん」と話す。※この漫画はフィクションです
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  1. 1コマ目:夜、実家の居間でノートに書くさとみ「電話に出ないときの順番、決めておこう」
  2. 2コマ目:窓の外を指さすふみ「お隣の鈴木さんなら、頼めるわよ」
  3. 3コマ目:タブレットのビデオ通話で親指を立てるたくや「俺は日曜の夜にかけるよ」
  4. 4コマ目:冷蔵庫に「れんらく表」を貼るさとみのそばで、メモ帳を持つぽん助「1枚にして、冷蔵庫に貼るぽん」

② 親の住む町の地域包括支援センターを調べて、電話しておく

結論:介護が必要になる前でも、離れて暮らす子からでも相談できます。「困る前に、一度つながっておく」のがおすすめです。

地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の相談窓口です。保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員(ケアマネジャー)などが働いていて、すべての市町村にあり、全国に5,487か所あります(令和7年4月末、厚生労働省)。高齢者本人だけでなく家族からの相談も受け、必要なサービスにつなぐのが役目です。

地域包括支援センターでできること。全国5,487か所、すべての市町村にある(令和7年4月末)。市町村が設置する高齢者の相談窓口で、保健師(健康・医療)、社会福祉士(暮らし・お金・権利)、主任ケアマネジャー(介護サービス)がいる。家族からの相談で、地域の見守りの仕組みや集まりを知る、介護が必要になったら要介護認定の申請を案内・代行してもらう、必要なサービスや窓口につないでもらう、などができる。出典:厚生労働省「地域包括支援センターについて」、長野県「要介護(要支援)認定について」。

担当のセンターは親の住所で決まります。「(親の市区町村名) 地域包括支援センター」で検索するか、市区町村の高齢者の窓口に電話して、担当のセンターを聞きます。

電話では、次の4つを伝えると話が早く進みます。

  • 親の名前・年齢・住所と、一人暮らしであること
  • 自分との関係と、住んでいる場所(車で1時間、など)
  • 気になっていること(電話がつながらないことがあった、など)
  • 今は介護が必要な状態ではないが、使える見守りや地域の集まりを知りたいこと

センターは、地域の見守りの仕組みや、介護が必要になったときの要介護認定の申請(本人・家族のほか、センターが代わりに申請することもできます)も案内してくれます。

漫画③『さとみさんちの実家じまい日記』「困る前に、つながっておく」

漫画「困る前に、つながっておく」。さとみがスマートフォンを耳に当てて「離れて住む娘ですが、相談できますか」と電話している。次のコマでもさとみはスマートフォンを耳に当てたままで、電話の向こうの声がギザギザの吹き出しで「ご家族からのご相談も受けていますよ」と答える。実家の居間では、母ふみがパンフレットを手に「元気なうちに、顔を知っておくのもいいわね」とうなずく。縁側のそばで、メモ帳を持ったタヌキのぽん助が「困る前に、つながっておくぽん」と話す。※この漫画はフィクションです
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  1. 1コマ目:スマートフォンを耳に当てるさとみ「離れて住む娘ですが、相談できますか」
  2. 2コマ目:スマートフォンを耳に当てたままのさとみ。電話の向こうの声(ギザギザの吹き出し)「ご家族からのご相談も受けていますよ」
  3. 3コマ目:実家の居間で、パンフレットを持つふみ「元気なうちに、顔を知っておくのもいいわね」
  4. 4コマ目:縁側のそばで、メモ帳を持つぽん助「困る前に、つながっておくぽん」

③ 近所・親戚の「頼れる人」と連絡カードを作る

結論:いちばん早く駆けつけられるのは、近くに住む人です。お願いは「様子を見る」だけに絞り、連絡先を1枚にまとめます。

頼れる人の候補は、近所の親しい人、近くに住む親戚、地域の民生委員(厚生労働大臣から委嘱され、地域で住民の相談に乗る人)などです。民生委員が誰かは、地域包括支援センターや市区町村で聞けます。

お願いするときは、親から先に話してもらい、子からも一言あいさつしておくと気持ちよく引き受けてもらえます。お願いは「連絡がつかないときに、インターホンを押してもらう」程度にとどめ、合鍵を預けるかどうかは親が決めます。

冷蔵庫に貼る連絡カード(書き込みシート)。家族(名前・電話)、頼れる近所の人、近くの親戚、かかりつけ医、地域包括支援センター、保険証・お薬手帳の場所、合鍵の場所(親が決める)。親の家の冷蔵庫と、子のスマホ(写真でOK)の2か所に置き、番号が変わったら書き直す。

カードには、家族・頼れる人・かかりつけ医・地域包括支援センターの電話番号と、保険証やお薬手帳の置き場所を書きます。親の家の冷蔵庫と、子のスマホの両方に置いておきます。

④ 帰省したら家の中を見る:転びやすい所・冷蔵庫・郵便物

結論:高齢者の家の事故で多いのは「ころぶ」です。帰省のたびに、通り道・食事・郵便物の3つを見ます。

東京消防庁によると、高齢者の日常生活の事故でいちばん多いのは「ころぶ」事故で、令和6年は73,500人が救急搬送されました。住宅などで起きた42,180人のうち、9割以上が屋内です。多かった場所は、居室・寝室、玄関・勝手口、廊下・縁側・通路の順でした。

高齢者の事故で多いのは家の中で「ころぶ」。令和6年に「ころぶ」事故で救急搬送された高齢者は73,500人。住宅などで起きた42,180人のうち39,053人、9割以上が屋内。多い場所は1居室・寝室、2玄関・勝手口、3廊下・縁側・通路。出典:東京消防庁「救急搬送データからみる高齢者の事故」(東京消防庁管内・65歳以上)。
帰省したら見る8か所(チェック表)。通り道:廊下・玄関に物や段差がないか。玄関:靴を履く所に手すりやいすがあるか。冷蔵庫:同じ物が増えていないか・期限切れ。郵便物:たまっていないか・督促や見慣れない請求。薬:飲み忘れが多くないか。電話・補聴器:着信音の音量・電池の替え。冷暖房:リモコンを使えているか。近所づきあい:最近だれと話したか。見つけたら責めずに「一緒に運ぼうか」と手伝いとして声をかける。

見るのは、責めるためではありません。「新聞の束、玄関に置くと危ないから、物置に運ぼうか」と、手伝いとして声をかけます。片付けを少しずつ進める方法は、実家じまいは何から始める?で紹介しています。

⑤ 見守りの入口を決める:親の負担が軽いものから

結論:いきなりカメラではなく、「人が会いに行く」「食事が届く」など、親の暮らしに自然になじむものから考えます。

見守りの入口、親の負担が軽い順に考える。1自治体の見守り:緊急通報・見守り配食など。対象の条件あり、まず包括で聞く。2人の訪問・電話:郵便局のみまもり訪問は月1回・月2,500円(税込)、月1回の様子がわかる。3食事が届く:手渡し型は届けたときの様子がわかる。冷凍型は見守りにならない。届け方で違う。4機械:電池・家電・センサー・カメラ。親の同意が前提、動きの有無などがわかる。出典:練馬区「高齢者在宅生活あんしん事業」、日本郵便「郵便局のみまもりサービス」(2026年10月10日確認)。
入口例費用の例(公式)気づけること
自治体の見守り練馬区の例:緊急通報システム、生活リズムセンサー、見守り電話、見守り配食など条件・費用は自治体ごと制度による
人の訪問・電話郵便局のみまもり訪問(月1回・写真付きの報告)月額2,500円(税込)月1回の様子
食事が届く手渡しの宅配弁当、冷凍の宅配便1食およそ470〜930円(公式の例。送料が別のものあり)手渡し型は届けたときの様子
機械電池・家電・センサー・カメラ機器による動きの有無など

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自治体の制度には対象の条件があります。練馬区の例では、65歳以上で、持病があり常に注意が必要な人や、要支援・要介護の認定を受けた人などが対象です。まず地域包括支援センターで、親の町に何があるかを聞くのが近道です。

食事の宅配は、「毎日顔を見て手渡す型」と「冷凍でまとめて届く型」で、見守りになるかどうかが変わります。

手渡しの見守り型と冷凍型の違い、料金の比べ方は、宅配弁当、手渡しの見守り型と冷凍型の比べ方で図解しています。

よくある質問

Q1. 連絡はどのくらいの頻度がいいですか?

決まりはありません。親が負担に感じない頻度を一緒に決め、「つながらないときの順番」とセットにすることが大切です。電話が苦手な親なら、毎朝のスタンプ1つでも十分な合図になります。

Q2. 親が「まだ大丈夫」と言って、相談や見守りを嫌がります。

まずは子が地域包括支援センターに電話して、情報を集めるだけでも前進です。親には「私が安心したいから」と主語を自分にして頼み、決めるのは親にします。

Q3. 地域包括支援センターに相談すると、すぐ介護の手続きになりますか?

なりません。相談だけでも大丈夫です。介護が必要になったときは、要介護認定の申請などを案内してもらえます。

まとめ:元気なうちに「気づける順番」を作る

元気なうちに「気づける順番」を作る。1今週:連絡のルールを決める/地域包括支援センターに電話。2次の帰省:頼れる人にあいさつ・連絡カード/家の通り道を見る。3家族で相談:見守りの入口を、親の負担が軽いものから。ぽん助「まずは次の電話で、順番を話すぽん」。
  • 今週:連絡のルールを決める/地域包括支援センターを調べて電話する
  • 次の帰省:頼れる人にあいさつし、連絡カードを冷蔵庫に貼る/家の中の通り道を見る
  • 家族で相談:見守りの入口を、親の負担が軽いものから選ぶ

心配は、仕組みにすると少し軽くなります。まずは次の電話で、「つながらないときの順番」を話してみましょう。


この記事を書いた人・運営者情報

  • 執筆:さとみ(やさしい終活ノート編集部)。親の終活・実家じまいについて、公的機関の情報をもとに、漫画と図解でわかりやすく整理して発信しています。
  • 運営:やさしい終活ノート(運営者情報/お問い合わせ)
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参考資料(2026年10月10日閲覧)

更新履歴

  • 2026年10月10日:記事を公開しました