実家じまいは、「親や家族と話すこと」と「大事な物のありかを確かめること」から始めます。いきなり片付けや処分に手をつける必要はありません。順番さえ分かれば、気持ちはぐっと軽くなります。
この記事で分かること
- 実家じまいの全体像(片付けだけではない4つの作業)
- 親が元気な場合と、亡くなった後の場合で変わる「最初の一歩」
- 最初の30日でやる7ステップと、親への話の切り出し方(漫画つき)
記事の最後に、印刷して使える「実家じまいチェックリスト」(A4・1枚)も用意しました。
漫画①『さとみさんちの実家じまい日記』「お盆の帰省で絶句」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:夏の夕方、実家の玄関を開けたさとみ。廊下には段ボールと新聞の束が積み上がっている。さとみ「えっ…」
- 2コマ目:居間で母・ふみが麦茶を出してくれる。さとみ「これも取ってあるの?」ふみ「もったいない!」
- 3コマ目:夜、布団の中で天井を見つめるさとみ。「何から始めれば…」
- 4コマ目:ベランダの手すりに、タヌキのぽん助がちょこんと座っている。ぽん助「一つずつ、ぽん!」
実家じまいとは?「片付け」だけではない4つの作業
図解実家じまい=4つの作業
イラストは準備中です
実家じまいとは、親が住んでいた(または住んでいる)家の中の物を整理し、最終的に家そのものをどうするかを決めるまでの一連の作業をいいます。「実家の片付け」と同じ意味で使われることもありますが、実際には次の4つの作業が重なっています。
| 作業 | 中身 | 誰が中心になるか |
|---|---|---|
| ①話し合う | 親の希望、きょうだいの意向、時期の目安を共有する | 親・きょうだい全員 |
| ②仕分ける | 残す物・迷う物・手放す物に分ける | 親(存命なら)+子 |
| ③手放す | 売る・譲る・自治体の回収に出す・供養する | 子、必要に応じて業者 |
| ④家の行き先を決める | 住む・貸す・売る・解体する・当面は管理する | 家の所有者(相続後は相続人)、専門家に相談 |
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多くの人がつまずくのは、③の「捨てる作業」から始めてしまうことです。物を手放すのは、①と②で「何を残すか」が決まってからのほうが、親子げんかも、後からの「あれ、どこにやった?」も減らせます。
まず確認:親は元気?それとも亡くなった後?
図解あなたはどっち?
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実家じまいの「最初の一歩」は、親が元気なうちか、亡くなった後かで大きく変わります。
親が元気なうちに始める場合:主役は親
親が存命のうちは、家も物も親のものです。子どもが「片付けてあげる」立場ではなく、親が自分の暮らしを整えるのを手伝うという立場で考えると、話がこじれにくくなります。
- 最初は「捨てる」話ではなく、「これから先、どこでどう暮らしたいか」を聞く
- 大事な物(写真・手紙・趣味の道具)は、親に選んでもらう
- 親の希望を書き残す道具として、エンディングノートが役に立ちます
- 葬儀の希望(規模や呼びたい人など)も、親が話してくれるなら聞いておくと、いざというとき家族が迷いにくくなります。無理に聞き出す必要はありません
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時間をかけて少しずつ進められるのは、生前に始める利点の一つです。1日10分、引き出し1つからでも進められます。
亡くなった後に始める場合:片付けの前に「確保」と「相談」
親が亡くなった後は、気持ちが追いつかないなかで手続きが重なります。片付けを急ぐ前に、次の2点を押さえてください。
- 相続のことは専門家に聞くと早い:誰が相続人になるか、遺産をどう分けるかは、司法書士・弁護士・税理士や法務局の窓口に相談すると確実です。なお、不動産を相続したことを知った日から3年以内の相続登記が、2024年(令和6年)4月から義務になっています(出典:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」)。
- 相続放棄を考えているなら、物を処分する前に相談する:相続放棄の申述は、原則として相続の開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所に行う必要があります(出典:裁判所「相続の放棄の申述」)。遺品の処分のしかたによっては相続放棄に影響することがあるので、片付けに手をつける前に弁護士・司法書士に相談しておくと安心です。相談先に迷ったら法テラス(日本司法支援センター)も使えます。
そのうえで、通帳や印鑑、権利証などの貴重品・重要書類を先に確保してから、片付けの時期を決めます。四十九日や賃貸の退去期限から逆算すると、時期を決めやすくなります。
実家じまいの7ステップ(最初の30日でやること)
図解最初の30日・7ステップ
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ここからは、親が元気なうちに始めるケースを中心に、最初の30日で進める7つのステップを紹介します。亡くなった後のケースでも、STEP2以降の考え方はほぼ同じです。
「30日」は、あくまで動き出すための目安です。1か月で全部を終わらせる必要はありません。この30日で「家族の方向性」と「大事な物のありか」が分かれば、それだけでも大きな前進です。
STEP1 家族で「家をどうするか」の方向性を話す
最初のステップは、片付けではなく話し合いです。ここで決めるのは結論ではなく「方向性」と「役割」です。
漫画②『さとみさんちの実家じまい日記』「弟に相談→オンライン家族会議」
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家族会議で話す3つのこと
- 親の希望:この家に住み続けたいか、住み替えも考えているか、どうしても残したい物は何か
- きょうだいの事情:帰省できる頻度、使える時間、遠方かどうか
- 連絡の取り方と役割:誰が窓口になるか、記録をどこに残すか(共有のメモやノートなど)
費用の分担や家の売却といったお金の話は、初回では決めなくてかまいません。初回は「現状を共有した」「次にいつ話すか決めた」で十分です。お金や家の名義に関わる取り決めは、のちのち誤解が生じないよう、決まった時点で書面やメッセージに残しておきましょう。
親への切り出し方:「片付けて」ではなく「教えて」から
実家じまいで多くの人が悩むのが、親への最初のひと言です。「物が多すぎる」「片付けないと困るのはこっち」と言いたくなる気持ちは自然ですが、親からすると「自分の暮らしを否定された」と感じやすい言葉です。
漫画③『さとみさんちの実家じまい日記』「親への切り出し方・NGとOK」
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切り出すときの「会話の型」を3つ紹介します。そのまま使うより、ご家族らしい言葉に置き換えてみてください。
| 場面 | 言い方の例 | ポイント |
|---|---|---|
| きっかけ作り | 「テレビで実家の片付けの特集を見たんだけど、お母さんはどう思う?」 | 一般的な話題から入り、親の意見を聞く |
| 心配を伝える | 「階段の荷物、転ばないか心配なんだ。そこだけ一緒に片付けてもいい?」 | 主語を「私」にし、範囲を小さくする |
| 思い出から入る | 「この写真の話、聞かせて。残したい物を先に教えてほしい」 | 捨てる物ではなく、残す物から聞く |
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避けたいのは、「もう年なんだから」「どうせ使わないでしょ」「死んだら困る」といった言葉です。親が乗り気でないときは、無理に進めず、時間をおいてから別の切り口で話してみましょう。実家じまいの主役は、あくまで親本人です。
STEP2 重要書類・貴重品の「ありか」を一覧にする
図解どこにある?一覧表
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次にやるのは、大事な物の「ありか」を確かめることです。中身や金額まで聞く必要はありません。「どこに置いてあるか」だけを、親と一緒に一覧にします。
- 通帳・キャッシュカード・印鑑
- 家の権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書
- 生命保険・火災保険などの保険証券
- 年金・健康保険・介護保険の書類
- スペアキー、貸金庫の有無
- 貴金属・現金を保管している場所
この一覧があるだけで、片付けの途中で「大事な物を誤って処分してしまう」リスクを大きく減らせます。国民生活センターにも、処分しないよう頼んだ物が処分されてしまったという相談事例が寄せられています(出典:国民生活センター「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」)。
注意:暗証番号やパスワードを紙に書いて一覧と一緒に置くのは避けましょう。デジタルの契約(ネット銀行、サブスクなど)は「何を契約しているか」だけを書き出しておくと、あとで解約の手続きがしやすくなります。
STEP3 残す物を先に決める(捨てる物からではなく)
図解3つの箱
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仕分けは「捨てる物を探す」より、「残す物を先に選ぶ」ほうが早く、気持ちもラクです。親が存命なら、残す物は親に選んでもらいます。
3つの箱で分けるコツ
- 残す:親が大切にしている物、毎日使う物、写真・手紙など代わりがきかない物
- 迷う(保留):その場で決められない物。箱に日付を書いて、数か月後に見直す
- 手放す:壊れている物、明らかに使っていない物、同じ物が複数ある物
「迷う」の箱を用意しておくと、親子で意見が食い違ったときに「今日は保留にしよう」と言えるので、話し合いが止まりません。一度にやる範囲は「引き出し1段」「棚1つ」程度にとどめ、親の体力に合わせて進めましょう。
STEP4 自分でやる範囲と業者に頼む範囲を分ける
図解自分で/一部を業者に/すべて業者に
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物の量と、家族が使える時間によって、「どこまで自分たちでやるか」を決めます。
| 進め方 | 手間 | 期間の目安 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| すべて自分たちで | 大きい | 数か月〜年単位になることも | 実家が近い、時間に余裕がある、物の量が多くない | 粗大ごみや家電の出し方は自治体のルールに従う。体力・安全面に注意 |
| 一部を業者に | 中くらい | 自分たちで仕分け→搬出・整理作業の一部を依頼 | 思い出の品は自分で選びたいが、量が多く体力的に難しい | 依頼範囲を見積書に書いてもらう |
| すべて業者に | 小さい | 作業自体は短期間で済むことが多い | 遠方、時間がない、物の量が多い | 残す物の指定、立ち会いの有無、追加料金の条件を事前に確認 |
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※期間・手間は一般的な目安で、家の広さや物の量によって大きく変わります。
自分たちで処分する場合、家庭から出るごみはお住まいの市区町村のルールに従って出します。エアコン・テレビ・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)は家電リサイクル法の対象で、自治体の粗大ごみには出せません。処分方法が分からないときは、市区町村の窓口に問い合わせましょう(出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。
業者に頼むなら、まずは相談・見積もりから
「一部を業者に」「すべて業者に」を考えている場合は、いきなり契約するのではなく、まず見積もりを取って比べるところから始めましょう。複数の業者に問い合わせられる紹介サービスを使うと、1社ずつ探す手間を減らせます。
STEP5 見積もりは2〜3社から
業者に頼む場合は、2〜3社から見積もりを取り、内容を比べるのが基本です。国民生活センターは、遺品整理サービスで「高額な追加料金が発生した」「処分しない予定の遺品が処分された」といった相談が寄せられているとして、複数社から見積もりを取ること、見積書の内容を十分に確認することなどを呼びかけています(出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」)。
見積もりで確認したいポイントは次のとおりです。
- 作業内容(どの部屋の、何を、どこまで)が書かれているか
- 追加料金が発生する条件と、キャンセル料
- 作業日、支払い方法
- 残す物の扱い(目印のつけ方、立ち会いの有無)
- 家庭の廃棄物を運ぶ場合は、市区町村の一般廃棄物処理業の許可(または委託)を受けているか。買い取りがある場合は古物商の許可があるか
金額だけで決めず、「何にいくらかかるのか」が分かる見積書かどうかで比べましょう。
STEP6 家の行き先(売る・貸す・残す・解体)は専門家に相談
家をどうするかは、実家じまいのなかでも大きな決断の一つです。選択肢には主に、住む(誰かが住み継ぐ)、貸す、売る、解体する、当面は管理しながら残す、などがあります。
どれを選ぶかによって、名義の確認、税金、解体費用などが関わってきます。家族の方向性がある程度見えたら、専門家に相談すると判断がスムーズです。
- 名義や相続登記のこと → 司法書士、法務局
- 税金のこと → 税理士、税務署
- 売却・賃貸のこと → 不動産会社(複数に相談して比べる)
- 空き家の管理や補助制度 → お住まいの市区町村の窓口
売却や解体を選択肢に入れる場合は、いきなり1社に決めず、複数の会社の査定・見積もりを比べてから家族で相談すると判断しやすくなります。名義や相続が関わる場合は、先に司法書士などに確認しておきましょう。
ぽん助相続や家の名義、お金のことは、司法書士さん・税理士さん・市区町村の窓口に聞いてね、ぽん
STEP7 ライフラインや契約の整理
図解止める?続ける?ライフライン・契約
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家に誰も住まなくなる、または住む人が変わるときは、公共料金や各種契約の整理が必要です。
- 電気・ガス・水道:空き家として管理する場合、通水や換気のために水道・電気は残しておくケースもあります。家族で相談して決めましょう
- 電話・インターネット・新聞・NHKなど:契約先と契約者名を一覧にしてから手続きをします
- 火災保険:空き家になると契約の条件が変わることがあるため、保険会社や代理店に確認しましょう
- 郵便物:転居する場合は郵便の転送手続きを検討します
親が存命なら、手続きは原則として契約者である親本人が行います(子が手伝う場合も、本人の同意のうえで進めましょう)。
実家じまいでやってはいけない5つ
図解やってはいけない5つ
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①親に黙って勝手に捨てる
親が存命なら、家の中の物は親の物です。良かれと思って捨てた物が、親にとっては大切な物だったということは珍しくありません。信頼関係が崩れると、その後の話し合いが進まなくなります。必ず本人の了解を取りましょう。
②無許可の回収業者に頼む
家庭から出る廃棄物を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か、市区町村からの委託が必要です。「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」だけでは、家庭の廃棄物は回収できないと環境省が案内しています(出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。
国民生活センターによると、不用品回収サービスに関する相談は2021年度に2,000件を超えており、広告を見て頼んだら作業後に高額な料金を請求された、といった事例が紹介されています(出典:国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(PDF))。許可の有無が分からないときは、市区町村の窓口に問い合わせて確認しましょう。
③口約束だけで決める
「この棚は弟がもらう」「費用は半分ずつ」といった取り決めは、口頭だけだと後で記憶が食い違いがちです。業者との契約内容はもちろん、家族間の取り決めも、メッセージやメモなど形に残る方法で共有しておきましょう。
④仏壇・神棚をそのまま粗大ごみに出す
仏壇や神棚の扱いは、宗派や家の考え方によって異なります。手放す場合は、菩提寺や購入した仏具店などに相談してから決めると、親戚とのトラブルも防ぎやすくなります。詳しくは次の章で紹介します。
⑤一人で抱え込む
実家に近い人、時間に融通がききそうな人に負担が集中しがちです。一人で抱え込むと、体力的にも気持ちのうえでも続きません。きょうだいで役割を分ける、業者や自治体の窓口を頼る、といった「人の手を借りる」選択肢を早めに持っておきましょう。
業者とトラブルになったときは、一人で悩まず消費者ホットライン「188」に電話すると、身近な消費生活センター等の相談窓口を案内してもらえます(出典:消費者庁「消費者ホットライン」)。
実家を放置するとどうなる?
図解空き家のまま置いておくと起こりうること
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誰も住まない状態が続くと、次のようなことがかかわってきます。
- 家の傷み:人が住まない家は換気や通水の機会が減るため、定期的な手入れが必要になります
- 管理の手間と費用:草木の手入れ、郵便物の確認、見回りなどが必要になり、遠方の場合は移動の時間や費用もかかります
- 空き家に関する制度:2023年12月13日に施行された改正空家法では、適切な管理が行われず、そのままでは周囲に悪影響を及ぼすおそれがある空き家を「管理不全空家」とし、市区町村長が指導・勧告できるようになりました。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除されると国土交通省が説明しています(出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について」)
- 相続後の手続き:親が亡くなった後、不動産を相続した場合は相続登記が義務になっています(前述の法務省Q&A参照)
固定資産税や登記の扱いは家ごとに違うので、市区町村の窓口や税理士・司法書士に聞くのが確実です。
多くの場合、すぐに「今すぐ全部」を決める必要はありません。家族の方向性を話し合い、管理の担当を決めておくだけでも、こうした負担は小さくできます。
仏壇・写真・思い出の品はどうする?
図解思い出の品の3つの選択肢
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実家じまいで手が止まりやすいのが、思い出の品です。捨てられないのは、物の向こうに家族の時間があるからです。無理に「捨てる」か「残す」かの二択にせず、次の3つの選択肢から考えてみましょう。
供養して手放す
仏壇、遺影、人形、お守りなど、そのまま処分するのは気が引ける物は、供養してから手放す方法があります。
- 仏壇は、菩提寺に相談して閉眼供養(魂抜き)をしてもらうのが一般的とされています(宗派によって考え方が異なるため、まずはお寺に相談を)
- 菩提寺がない場合は、仏具店や、供養に対応している業者に相談する方法もあります
- 費用は依頼先によって異なるため、事前に確認しましょう
- 仏壇を引き継いで自宅でお参りを続ける場合は、住まいに合った大きさの仏壇に移す方法もあります。移す前に菩提寺や家族と相談しておきましょう
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お墓(墓じまい)も考えている場合
実家じまいをきっかけに、遠方のお墓をどうするか考える人もいます。墓じまいは、家族・親族の合意、菩提寺への相談、改葬の手続き(新しい納骨先の確保と市区町村での手続き)などが関わるため、実家の片付けとは分けて、時間に余裕をもって進めるのが一般的です。
デジタル化して残す
写真や手紙、子どもの頃の作品は、スキャンやスマートフォンでの撮影でデータとして残すと、保管場所をとらずにきょうだいで共有できます。アルバムを親と一緒にめくりながら、「この写真はいつ?」と話を聞く時間は、親子で思い出を振り返るよい機会にもなります。データにした後も、特に大切な数枚は現物を残しておくと安心です。
形見分けする
親が存命なら、「誰に何を受け継いでほしいか」を本人に聞いておくと、後で迷いにくくなります。亡くなった後は、きょうだいや親戚で希望を出し合います。高価な物(貴金属・美術品など)の扱いは相続にも関わることがあるため、迷う場合は専門家に相談しましょう。
遠方・時間がない人はどうする?
図解遠方の実家、帰省1回で進めるには?
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実家が遠方にある場合や、仕事・子育てで時間がとれない場合は、次のような工夫で負担を減らせます。
- 帰省の前に、家族でオンライン会議をして「今回やること」を1つに絞る
- 残す物には、目立つ色のシールや付箋で目印をつける
- 業者に頼む場合は、鍵の受け渡し方法、作業中・完了時の写真報告の有無を事前に確認する
立ち会いなしで片付けを頼む段取り(鍵の渡し方・写真報告・帰省1回で済ませるスケジュール)は、遠方の実家の遺品整理を立ち会いなしで頼む方法でくわしく解説しています。
費用はどれくらい?
図解実家じまいの費用は『何を選ぶか』で変わる
イラストは準備中です
実家じまいの費用は、「どこまでを、誰がやるか」で大きく変わります。主に次のような費用がかかる可能性があります。
- 片付け・遺品整理の費用(自分でやるか、業者に頼むか)
- 粗大ごみ・家電リサイクルの費用
- 仏壇などの供養の費用
- 家を解体する場合の解体費用
- 売却する場合の仲介手数料や登記の費用など
「まとまったお金がすぐには用意できない」という場合も、自分でできる範囲を広げる、売れる物は買い取りに出す、急ぎでない作業は時期をずらす、といった方法で負担を分散できます。買い取りに出す場合は、親が存命なら本人の了解を取ってから、相続が関わる場合は専門家に確認してから進めましょう。
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家族で費用の分担を話し合うときは、決めた内容を形に残しておきましょう。
印刷できる「実家じまいチェックリスト」
下のチェックリストは、印刷して冷蔵庫に貼ったり、家族会議のときに手元に置いたりして使えます。
印刷用「実家じまいチェックリスト」
チェックリストをダウンロード(PDF)【1】話し合い
- 親の希望(住み続けたいか、残したい物)を聞いた
- きょうだいの事情(帰省できる頻度・時間)を共有した
- 連絡の窓口役と、記録を残す場所を決めた
- 次に話す日を決めた
【2】重要書類・貴重品の「ありか」
- 通帳・キャッシュカード・印鑑
- 家の権利証(登記識別情報)・固定資産税の書類
- 保険証券(生命保険・火災保険など)
- 年金・健康保険・介護保険の書類
- スペアキー・貸金庫の有無
- デジタルの契約(ネット銀行・サブスクなど)の一覧
【3】仕分け
- 「残す/迷う/手放す」の3つの箱を用意した
- 残す物を親に選んでもらった
- 「迷う」の箱に日付を書いた
- 写真・手紙のデジタル化の担当を決めた
- 仏壇・神棚の扱いを菩提寺や家族と相談した
【4】業者に頼む場合
- 自分でやる範囲と、頼む範囲を決めた
- 2〜3社から見積もりを取った
- 作業内容・追加料金の条件・キャンセル料を確認した
- 一般廃棄物処理業の許可(または市区町村の委託)を確認した
- 契約内容を書面で受け取った
【5】家とライフライン
- 家の行き先の方向性(住む・貸す・売る・解体・管理)を家族で共有した
- 名義・相続・税金のことは専門家(司法書士・税理士など)に相談した
- 電気・ガス・水道・電話・新聞・NHK・保険の契約先を一覧にした
- 郵便物の扱いを決めた
【困ったときの相談先】
消費生活のトラブル:消費者ホットライン188/法律の相談:法テラス・弁護士・司法書士/税金:税理士・税務署/ごみの出し方・許可業者:お住まいの市区町村
よくある質問
Q1. 親が実家じまいに乗り気ではありません。どうすればいいですか?
無理に進めないことが大切です。「片付け」や「家をどうするか」という言葉そのものに抵抗がある親も少なくありません。まずは、思い出話を聞く、階段まわりなど安全に関わる場所だけ一緒に整える、といった小さな範囲から始めてみましょう。実家じまいの主役は親本人です。本人の気持ちが動くまで待つことも、立派な準備の一つです。
Q2. きょうだいが非協力的です。
「協力しない」のではなく、「何をすればいいか分からない」「時間がとれない」だけのこともあります。遠方のきょうだいには、オンライン会議への参加、業者の見積もり比較、書類の整理など、離れていてもできる役割をお願いしてみましょう。費用の分担など意見が分かれやすい話題は、決まった内容を形に残しておくと後のトラブルを防ぎやすくなります。
Q3. 実家じまいは、いつまでに終わらせればいいですか?
親が存命の場合、決まった期限はありません。親の体調や暮らしの変化に合わせて、少しずつ進めれば大丈夫です。一方、親が亡くなった後は、賃貸住宅の退去期限や、相続に関する手続きの期限が関わる場合があります(例:相続放棄の申述は原則3か月以内、相続登記は3年以内など)。期限が関わる手続きについては、早めに専門家に確認してください。
Q4. 業者に頼むときの注意点は?
2〜3社から見積もりを取り、作業内容・追加料金の条件・キャンセル料を確認することが基本です。家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業の許可(または委託)が必要なので、許可の有無も確かめましょう。残す物ははっきり分けて目印をつけ、できれば作業に立ち会うと安心です。トラブルになったときは、消費者ホットライン188に相談できます。
まとめ:実家じまいは「話す」と「ありかを知る」から始めよう
図解今日からできる3つのこと
イラストは準備中です
実家じまいは、何から始めればいいか分からないからこそ、最初の一歩が重く感じられます。でも、最初にやるのは大掛かりな片付けではありません。
- 親が元気なら:本人の希望を聞き、大事な物のありかを一緒に確かめる
- 亡くなった後なら:貴重品・書類を確保し、相続の判断は専門家に相談してから片付ける
- どちらの場合も:一人で抱え込まず、家族や専門家、必要に応じて業者の手を借りる
順番を知っていれば、実家じまいは一歩ずつ進められます。
漫画④『さとみさんちの実家じまい日記』「少しだけ前に進んだ」
漫画は準備中です
実家じまいシリーズ:次に読みたい記事
図解実家じまい・終活シリーズの地図
イラストは準備中です
| 悩み | 記事 |
|---|---|
| 実家が遠い・立ち会えない | 遠方の実家の遺品整理を立ち会いなしで頼む方法 |
この記事を書いた人・運営者情報
- 執筆:さとみ(やさしい終活ノート編集部)。親の終活・実家じまいについて、公的機関の情報をもとに、漫画と図解でわかりやすく整理して発信しています。
- 運営:やさしい終活ノート(運営者情報/お問い合わせ)
- このサイトについて:費用や手続きは公的機関の情報で確かめています。広告には「PR」と表示し、漫画はフィクションです(広告掲載ポリシー)。
参考資料(2026年10月9日閲覧)
- 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180719_1.html
- 国民生活センター「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」(見守り新鮮情報 第525号、2025年10月30日公表) https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen525.html
- 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日公表、PDF) https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20221102_1.pdf
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
- 法務省「不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00435.html
- 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html
- 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
- 国民生活センター「全国の消費生活センター等」 https://www.kokusen.go.jp/map/index.html
- 法テラス(日本司法支援センター) https://www.houterasu.or.jp/
更新履歴
- 2026年10月10日:記事を公開しました