墓じまいにかかった費用は、「31万〜70万円」と答えた人がいちばん多く(31.3%)、30万円以下と合わせると約半数が70万円以下でした(出典:鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」)。総額をいちばん大きく左右するのは、取り出した遺骨を納める「新しい納骨先」です。合祀墓なら1体数万円から納められる公営墓地もありますが、新しく一般墓を建てると、その費用だけで平均150万円を超えます。

この記事で分かること

  1. 墓じまいの総額の目安と、何にいくらかかるか(5つの内訳)
  2. 合祀墓・樹木葬・納骨堂・一般墓で、総額がどう変わるか
  3. 改葬許可の手続きの流れと必要な書類、親戚やお寺への切り出し方

漫画①『さとみさんちの実家じまい日記』「このお墓、どうなるの?」

漫画「このお墓、どうなるの?」。秋のお彼岸、紅葉の残る遠方のお寺の墓地に、手おけを持ったさとみと、杖をついた母ふみが来ている。さとみ「遠かったけど、来られてよかったね」。墓前で手を合わせたふみが「私がいなくなったら、このお墓、どうなるのかしら」とつぶやき、さとみは「私は東京、たくやは静岡…。毎年は来られないよね」と考えこむ。最後に、木のそばに現れたぽん助が「まずは、お金と流れを知るところからだぽん」と声をかける。※この漫画はフィクションです
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  1. 1コマ目:お彼岸、遠方のお寺の墓地に母と来たさとみ「遠かったけど、来られてよかったね」
  2. 2コマ目:墓前で手を合わせたふみ「私がいなくなったら、このお墓、どうなるのかしら」
  3. 3コマ目:考えこむさとみ「私は東京、たくやは静岡…。毎年は来られないよね」
  4. 4コマ目:木のそばに現れたぽん助「まずは、お金と流れを知るところからだぽん」

墓じまいの費用は総額いくら?

結論:実際に墓じまいをした人の答えで最も多いのは「31万〜70万円」。ただし151万円以上かかった人も14.0%いて、幅はかなり大きいです。

お墓の情報サイト「いいお墓」を運営する鎌倉新書が2026年1月に行った調査で、墓じまいを実際にした(している)人に費用を聞いた結果は次のとおりです(出典:鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」、2026年3月17日公表)。

墓じまいに実際にかかった費用(鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」、2026年1月調査、墓じまいを実施した人399人)。30万円以下16.8%、31万〜70万円31.3%(最多)、71万〜110万円18.8%、111万〜150万円11.3%、151万円以上14.0%、わからない7.8%。約半数が70万円以下。
費用割合
30万円以下16.8%
31万〜70万円31.3%
71万〜110万円18.8%
111万〜150万円11.3%
151万円以上14.0%
わからない7.8%

同じ調査で、墓じまいを考えた理由は「お墓が遠方にある」が52.0%、「お墓の継承者がいない」が44.1%でした。遠くて通えない、継ぐ人がいない、という悩みは、多くの家族に共通しています。

国の統計でも、お墓から遺骨を別の場所に移す「改葬」の件数は増えています。厚生労働省の衛生行政報告例では、2024年度の改葬は全国で176,140件で、2020年度(117,772件)の約1.5倍になりました(出典:厚生労働省「衛生行政報告例」(e-Stat))。


墓じまいの費用の内訳【図解】

結論:費用は「お墓を片付ける費用」と「遺骨の新しい行き先の費用」に分かれます。片付ける側は、撤去工事・閉眼供養・(寺院墓地なら)離檀料・手続きの4つです。

墓じまいの費用は5つの足し算。今のお墓を片付ける:1墓石の撤去・区画を更地に戻す工事(石材店。広さ・墓石の量・重機が入るかで変わる)、2閉眼供養のお布施(お寺・僧侶)、3離檀料(寺院墓地。檀家をやめるときのお礼。明確な基準はない)、4改葬許可の手続き(市区町村。手数料は無料〜1体数百円の例)。遺骨の新しい行き先:5新しい納骨先(合祀墓・樹木葬・納骨堂・一般墓など)。ぽん助「いちばん金額の差が出るのは5だぽん」

① 墓石の撤去・区画を更地に戻す工事

墓石を解体して運び出し、区画を更地に戻して墓地の管理者に返す工事です。石材店に頼みます。金額は区画の広さ、墓石の量、重機が入れるか(山の上や通路が狭い墓地は手作業が増える)で変わります。国などがまとめた相場表はないので、石材店の見積書で確かめるのが確実です。寺院墓地や民営霊園では、工事をする石材店が決まっている(指定石材店がある)ことがあるので、見積もりを頼む前に墓地の管理者に確認しましょう。

② 閉眼供養のお布施

お墓から魂を抜くとされる供養で、「魂抜き」「お性根抜き」などとも呼ばれます。菩提寺(先祖のお墓があるお寺)があればそのお寺に、公営墓地や民営霊園で付き合いのあるお寺がなければ、僧侶を紹介してもらえるサービスに頼む方法もあります。考え方や作法は宗派やお寺によって違うので、必要かどうかも含めて相談しましょう。

③ 離檀料(寺院墓地の場合)

寺院墓地で墓じまいをして檀家をやめるとき、これまでのお礼として包むお布施です。国民生活センターは、離檀料に明確な基準はなく、金額に納得できないときは、基本的にはお寺と話し合うことになると説明しています(出典:国民生活センター「見守り新鮮情報 第424号」(熊本市のページで紹介))。お寺との話し合い方は、後半の「お寺への切り出し方」で紹介します。

④ 改葬許可の手続き

遺骨を別のお墓や納骨堂に移すには、今遺骨がある場所の市区町村から「改葬許可」を受ける必要があります(出典:墓地、埋葬等に関する法律 第5条(e-Gov法令検索))。手数料は市区町村によって違い、たとえば長野市・北九州市は無料、三重県名張市は遺骨1体につき300円です(出典:長野市、北九州市、名張市)。このほか、戸籍謄本などの取り寄せや郵送の費用がかかることがあります。手続きを行政書士や代行サービスに頼む場合は、その報酬が加わります。

⑤ 新しい納骨先

取り出した遺骨を納める先の費用です。ここが総額をいちばん大きく左右するので、次の章でくわしく比べます。

ぽん助

見積書は『石材店』『お寺』『新しい納骨先』の3か所から集まるぽん。合計してから比べるぽん


新しい納骨先で総額が変わる【比較表】

結論:継ぐ人がいらない合祀墓・樹木葬・納骨堂を選ぶ人が約8割。費用は、合祀墓(公営なら1体数万円〜)<樹木葬・納骨堂<一般墓の順に高くなるのが目安です。

鎌倉新書の2026年の調査では、墓じまい後の遺骨の引っ越し先は、合祀墓・合葬墓が43.2%で最も多く、樹木葬24.1%、一般墓14.3%、納骨堂13.3%、散骨1.3%と続きました(出典:鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」)。

新しい納骨先の費用の目安。合祀墓:公営の例で遺骨1体5.3万〜13.1万円(都立霊園の合葬埋蔵施設)、市川市霊園は1体7.1万円、墓じまいでこの先を選んだ人43.2%。樹木葬:平均71.7万円、24.1%。納骨堂:平均81.5万円、13.3%。一般墓:平均152.0万円、14.3%。継ぐ人がいらない合祀墓・樹木葬・納骨堂を選んだ人が約8割。出典:鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」、東京都、市川市
納骨先どんなお墓?費用の目安向いている人
合祀墓(合葬墓)ほかの人の遺骨と一緒に納め、墓地の管理者が供養を続ける公営の例:都立霊園の合葬埋蔵施設は遺骨1体5.3万〜13.1万円費用を抑えたい/継ぐ人がいない
樹木葬墓石の代わりに樹木などを目印にする平均71.7万円自然の中で眠りたい/継ぐ人がいない
納骨堂屋内の棚やロッカーなどに遺骨を納める平均81.5万円天候を気にせずお参りしたい/駅から近い場所がよい
一般墓墓石を建て、家族で受け継ぐ平均152.0万円お墓を家族で受け継いでいきたい

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(樹木葬・納骨堂・一般墓の平均額の出典:鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」。2025年に「いいお墓」経由でお墓を買った人の平均です)

合祀墓は、一度ほかの遺骨と一緒に納めると、あとから遺骨を取り出せないのが一般的です。都立霊園には、20年間は個別に保管してから共同で埋蔵するタイプ(遺骨1体13.1万円の例)と、すぐに共同で埋蔵するタイプ(同5.3万円の例)があります。申し込みには都内に一定期間住んでいることなどの条件があり、募集は年1回です(出典:東京都建設局・東京都公園協会「令和8年度 都立霊園の使用者を募集します」、2026年5月25日)。公営の合祀墓は、住んでいる市区町村や近くの自治体のホームページで探せます。


墓じまいの手続きの流れ【フロー図】

結論:「家族・親族と話す → お寺(墓地の管理者)に相談 → 新しい納骨先を決める → 改葬許可を受ける → 閉眼供養・撤去 → 納骨」の順です。工事より先に、話し合いと納骨先を決めます。

墓じまいの流れ。1家族・親族と話す、2お寺(墓地の管理者)に相談、3新しい納骨先を決めて受入証明書をもらう、4石材店に撤去の見積もり(指定石材店があるか先に確認)、5今の墓地の管理者に埋蔵証明をもらう、6今遺骨がある市区町村に改葬許可を申請、7閉眼供養・遺骨の取り出し・撤去して区画を返す、8新しい納骨先に改葬許可証を出して納骨。ぽん助「お寺には、工事の話より先に相談するぽん」
  1. 家族・親族と話す:誰が中心になって進めるか、費用をどう分けるか、遺骨をどこに移すかを話し合います。
  2. お寺(墓地の管理者)に相談する:寺院墓地なら、まずお寺にこれまでのお礼と事情を伝えます。公営墓地・民営霊園なら管理事務所に返し方を聞きます。
  3. 新しい納骨先を決める:契約したら、遺骨を受け入れることを証明する「受入証明書」をもらいます(使用許可証の写しでよい市区町村もあります)。
  4. 石材店に見積もりを頼む:指定石材店があるかを確かめてから頼みます。
  5. 埋蔵証明をもらう:今の墓地の管理者に、遺骨が納められていることを証明してもらいます(申請書の証明欄に書いてもらう形が多いです)。
  6. 改葬許可を申請する:今遺骨がある市区町村に申請し、「改葬許可証」を受け取ります。
  7. 閉眼供養・遺骨の取り出し・撤去工事:区画を更地にして、墓地の管理者に返します。
  8. 新しい納骨先に納骨する:改葬許可証を新しい納骨先の管理者に出して納骨します。墓地や納骨堂の管理者は、改葬許可証を受け取ってからでないと遺骨を納められない決まりです(出典:墓地、埋葬等に関する法律 第14条)。

鎌倉新書の調査では、墓じまいで大変だったこととして「遺骨の引っ越し先選び」(38.8%)と「役所の手続き」(32.3%)が上位でした(出典:鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」)。先に納骨先の候補を家族で見ておくと、全体がぐっと進めやすくなります。

改葬許可の申請に必要な書類

改葬許可の申請書と添付する書類は、国の省令で決まっています(出典:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条(e-Gov法令検索))。実際の様式や追加の書類は市区町村ごとに違うので、今遺骨がある市区町村のホームページで「改葬許可」と検索して確かめましょう。

改葬許可の申請で用意するもの。申請先は今、遺骨がある場所の市区町村。改葬許可申請書(遺骨1体につき1通の市区町村が多い)、埋蔵(収蔵)証明(今の墓地の管理者が書く)、受入証明書(新しい納骨先が書く。使用許可証の写しでよい場合も)、承諾書(申請する人と墓地の使用者が違うとき)、本人確認書類など(戸籍謄本を求める市区町村も。郵送なら返信用封筒)。
  • 改葬許可申請書:亡くなった人の本籍・住所・氏名、亡くなった日、埋葬や火葬の場所と日付、改葬の理由と移す先などを書きます。長野市では、申請書は故人1人につき1通です(出典:長野市「改葬許可申請」)。古いお墓では分からない項目が出てきますが、北九州市のように「不明」と書くよう案内している市もあります(出典:北九州市「改葬許可について」)。
  • 埋蔵(収蔵)証明:今の墓地の管理者(お寺・霊園)に書いてもらいます。
  • 受入証明書:新しい納骨先の管理者に書いてもらいます。
  • 承諾書:申請する人が墓地の使用者(名義人)でないときに必要です。
  • そのほか:本人確認書類、戸籍謄本などを求める市区町村もあります(例:砺波市)。

墓じまいをやめた人の理由と、その対策

結論:やめた理由のトップは「解体費用が高すぎた」(22.2%)、次が「親戚から理解を得られなかった」「手続きがめんどう」(各18.9%)。どれも、始める前の準備で減らせます。

鎌倉新書の調査で、墓じまいを考えたけれどやめた人(90人)に理由を聞いた結果です(出典:鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」のグラフ)。

墓じまいをやめた理由と、その対策(鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」、やめた人90人、複数回答)。解体費用が高すぎた22.2%→石材店2〜3社に見積もり、公営墓地なら助成を調べる。親戚から理解を得られなかった18.9%→決める前に相談する、供養を続ける形を見せる。手続きがめんどうだった18.9%→流れと書類を先に知る、代行を頼む方法も。先祖に後ろめたい気持ちになった11.1%→閉眼供養をして、新しい場所でお参りを続ける。

親戚には「決めたこと」ではなく「相談」として話す

お墓は、きょうだいだけでなく、叔父・叔母などの親戚にとっても大切な場所です。反対が出るのは、多くの場合「先祖をないがしろにするのでは」という心配からです。決める前に、相談として話すこと、そしてお墓をなくしても供養は続けること(新しい納骨先、お参りの方法)を具体的に見せると、話が進みやすくなります。

漫画②『さとみさんちの実家じまい日記』「一度、資料を見せてくれ」

漫画「一度、資料を見せてくれ」。法要のあとの和室で、さとみが父の弟の叔父に「お墓のことで、相談があるんです」と切り出す。座卓のタブレットには、ビデオ通話の弟たくや。叔父は腕を組んで「墓じまいか…。ご先祖さまに申し訳ない気もするなあ」。たくやが画面から「費用は姉ちゃんと僕で出します。供養も続けるつもりです」と伝え、さとみが樹木葬のパンフレットを渡して「家の近くの樹木葬なら、みんなでお参りしやすいんです」と話すと、叔父は「…一度、資料を見せてくれ」と受け取る。部屋の奥でぽん助がにっこり見守っている。※この漫画はフィクションです
※この漫画はフィクションです タップで拡大
漫画の内容を文字で読む
  1. 1コマ目:法要のあとの和室で、さとみ「お墓のことで、相談があるんです」
  2. 2コマ目:腕を組む叔父「墓じまいか…。ご先祖さまに申し訳ない気もするなあ」
  3. 3コマ目:タブレットのビデオ通話のたくや「費用は姉ちゃんと僕で出します。供養も続けるつもりです」
  4. 4コマ目:さとみがパンフレットを渡して「家の近くの樹木葬なら、みんなでお参りしやすいんです」 叔父「…一度、資料を見せてくれ」(部屋の奥でぽん助が見守る)

お寺への切り出し方

寺院墓地の場合は、工事や費用の話より先に、これまでのお礼と事情を伝えて相談するのが基本です。

漫画③『さとみさんちの実家じまい日記』「お礼と、事情と、相談と」

漫画「お礼と、事情と、相談と」。お寺の客間で、さとみが住職に頭を下げて「長いあいだ、父のお墓を守っていただき、ありがとうございました」。住職は穏やかに「遠くからでは、お参りも大変でしょう」。さとみが「家の近くに移そうと考えています。閉眼供養をお願いできますか?」と相談すると、住職は「ええ、もちろんですよ」。お寺の門の外で、ぽん助がメモ帳「①お礼 ②事情 ③相談」を掲げて「お礼、事情、相談の順だぽん」と言い、さとみが笑顔になる。※この漫画はフィクションです
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漫画の内容を文字で読む
  1. 1コマ目:お寺の客間で頭を下げるさとみ「長いあいだ、父のお墓を守っていただき、ありがとうございました」
  2. 2コマ目:住職「遠くからでは、お参りも大変でしょう」
  3. 3コマ目:さとみ「家の近くに移そうと考えています。閉眼供養をお願いできますか?」 住職「ええ、もちろんですよ」
  4. 4コマ目:お寺の門の外で、ぽん助がメモ帳「①お礼 ②事情 ③相談」を掲げて「お礼、事情、相談の順だぽん」
お寺への切り出し方、3つの順番。1お礼「長いあいだ、お墓を守っていただき、ありがとうございました」。2事情「遠方で、毎年のお参りが難しくなりました」。3相談「家の近くに移したいと考えています。どのように進めればよいか、教えていただけますか」。金額の話が出たら、その場で決めず「家族と相談してからお返事します」と持ち帰る。困ったら消費者ホットライン188。
  1. お礼:「長いあいだ、お墓を守っていただき、ありがとうございました」
  2. 事情:「遠方で、毎年のお参りが難しくなりました」「継ぐ人がいません」など、正直な理由を伝えます。
  3. 相談:「家の近くに移したいと考えています。どのように進めればよいか、教えていただけますか」

金額の話が出たら、その場で決めずに「家族と相談してからお返事します」と持ち帰りましょう。墓じまいには、お寺など墓地の管理者が出す埋蔵(埋葬)証明が必要なので、家族・親族も交えてよく話し合うことを国民生活センターもすすめています(出典:国民生活センター「見守り新鮮情報 第424号」(熊本市のページで紹介))。

国民生活センターには、お墓についての相談が毎年1,000件ほど寄せられていて(2025年度は1,077件)、「菩提寺に墓じまいを頼んだら高額な離檀料を請求され、請求の根拠も分からない」といった相談も紹介されています(出典:国民生活センター「墓・葬儀サービス(各種相談の件数や傾向)」、2026年5月31日現在)。話し合いで困ったら、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターを案内してもらえます。


墓じまいの費用を抑える4つの方法

結論:①見積もりを比べる ②納骨先を家族で選ぶ ③自治体の制度を調べる ④できる手続きは自分でする、の4つです。供養の気持ちを削る必要はありません。

墓じまいの費用を抑える4つの方法。見積もりを2〜3社で比べる、納骨先を家族で選ぶ(合祀墓・公営墓地も候補に)、自治体の制度を調べる、手続きは自分でできる(改葬許可は無料〜1体数百円の例)。自治体の助成の例:千葉県市川市は市川市霊園の原状回復費を区画に応じて上限7.5万〜44万円まで助成、千葉県浦安市は墓地公園の墓石撤去費などを上限15万円まで補助し、市の合祀室へ改葬先の使用料なしで移せる制度もある。
  1. 撤去の見積もりを2〜3社で比べる:指定石材店がない墓地なら、複数の石材店に見積もりを頼めます。見積書は「何㎡の区画を、どこまで(基礎まで撤去するか、整地まで含むか)」をそろえて比べましょう。
  2. 納骨先を家族で選ぶ:合祀墓や公営墓地も候補に入れると、総額の幅が見えてきます。合祀墓は後から遺骨を取り出せないのが一般的なので、家族で納得してから決めます。
  3. 自治体の制度を調べる:公営墓地を返すとき、撤去費の助成がある自治体もあります。たとえば千葉県市川市は、市川市霊園の一般墓地を返すときの原状回復費を、区画に応じて上限7.5万〜44万円まで助成しています(予算に達すると受付終了。出典:市川市「市川市霊園一般墓地返還促進事業」、2026年9月16日更新)。浦安市は、墓地公園の墓所を返すときの墓石撤去費などを上限15万円まで補助し、市の合祀室に改葬先の使用料なしで移せる制度もあります(出典:浦安市「墓所返還者等支援事業」)。お墓が公営墓地なら、その墓地を管理する市区町村のページで「墓所 返還」と検索してみましょう。
  4. 手続きは自分でできる:改葬許可の手数料は無料〜数百円の例が多く、書類も自分でそろえられます。忙しくて平日に動けない、遠くて何度も行けない、という場合は代行を頼む方法もあります。

墓じまい代行サービスを使う場合

結論:遠方で何度も通えない、お寺や石材店とのやり取りまでまとめて相談したい、という場合は、墓じまいの代行・相談サービスを使う方法があります。頼む範囲と費用を書面で確かめてから決めましょう。

くらべるところ自分で手配する代行サービスに頼む
手間石材店・お寺・新しい納骨先・役所に自分で連絡する窓口をひとつにまとめられる
費用各所への支払いだけ各所への支払いに加えて、サービスの料金がかかることがある
向いている人お墓の近くに住んでいる/時間がある遠方に住んでいる/平日に動けない

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代行サービスに相談するときは、次のことを確かめましょう。

  • 料金に含まれるもの:撤去工事、行政手続きの代行、閉眼供養の手配、新しい納骨先の紹介など、どこまでが料金に入っているか
  • 追加料金の条件:区画の広さ、墓石の数、重機が入れないときなど
  • お寺との関係:寺院墓地では指定石材店があることがあるので、お寺に先に相談してから頼む

よくある質問

Q1. 墓じまいの費用は、誰が払うのですか?

決まりはなく、家族で話し合って決めます。民法では、お墓は「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者」(祭祀承継者)が受け継ぐとされています(出典:民法 第897条(e-Gov法令検索))。お墓を受け継いだ人が中心になることが多いですが、きょうだいで分けることもできます。誰がいくら出すかは、話し合いの最初に決めておくと、後のもめごとを防げます。

Q2. お墓に何人も入っています。費用や手続きは人数分かかりますか?

改葬許可の申請書は、故人1人につき1通とする市区町村が多く、手数料も1体ごとにかかる市区町村があります(例:名張市は1体300円)。合祀墓などの新しい納骨先の費用も、1体ごとに決まっていることが多いです(例:都立霊園の合葬埋蔵施設は遺骨1体あたりの使用料)。お墓に誰が何人入っているかは、墓石に刻まれた名前や、お寺の過去帳、霊園の記録で確かめられます。

Q3. お墓にある遺骨の一部だけを移すことはできますか?

できます。遺骨の一部を別のお墓や納骨堂に納める「分骨」は、改葬とは別の手続きで、墓地の管理者から遺骨が納められていることを証明する書類をもらって、新しい納骨先に出します(出典:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条)。具体的な進め方は、今の墓地と新しい納骨先の両方に確認しましょう。

Q4. 実家の片付けと墓じまいは、どちらを先にすればいいですか?

決まった順番はありません。どちらも家族の話し合いから始まるので、話し合いの場で両方の予定を並べて決めるのがおすすめです。実家の片付けの進め方は実家じまいは何から始める?最初の30日でやる7ステップで、遠方の実家を片付ける段取りは遠方の実家の遺品整理を立ち会いなしで頼む方法で紹介しています。


まとめ:費用の幅を決めるのは「新しい納骨先」

今日からできる3つのこと。1お墓のある市区町村のホームページで「改葬許可」を検索して、必要な書類を見ておく。2家族で「誰が中心になるか」「費用をどう分けるか」「どこに移すか」を話す。3新しい納骨先の候補を2〜3か所、資料で見比べる。ぽん助「一つずつ、ぽん!」
  • 総額の目安:実際に墓じまいをした人の答えは「31万〜70万円」が最多(31.3%)。約半数が70万円以下
  • 内訳:撤去工事、閉眼供養、(寺院墓地なら)離檀料、改葬許可の手続き、新しい納骨先の5つ
  • 差が出るところ:新しい納骨先。合祀墓(公営なら1体数万円〜)、樹木葬(平均71.7万円)、納骨堂(平均81.5万円)、一般墓(平均152.0万円)
  • 進め方:家族・親族と話す → お寺に相談 → 納骨先を決める → 改葬許可 → 撤去 → 納骨
  • 困ったら:消費者ホットライン「188」

墓じまいは、お墓をなくすことではなく、家族が無理なく供養を続けられる形に移すことです。費用の目安と流れが分かったら、まずは家族と「どこに移すか」から話してみましょう。


この記事を書いた人・運営者情報

  • 執筆:さとみ(やさしい終活ノート編集部)。親の終活・実家じまいについて、公的機関の情報をもとに、漫画と図解でわかりやすく整理して発信しています。
  • 運営:やさしい終活ノート(運営者情報/お問い合わせ)
  • このサイトについて:費用や手続きは公的機関の情報で確かめています。広告には「PR」と表示し、漫画はフィクションです(広告掲載ポリシー)。

参考資料(2026年10月10日閲覧)

更新履歴

  • 2026年10月10日:記事を公開しました