一軒家の遺品整理の費用は、遺品整理業者の紹介サービス「みんなの遺品整理」が公開している目安で、3LDKが17万〜50万円、4LDK以上が22万〜60万円です。ただし、同じ間取りでも物の量と、運び出しやすさで金額は大きく変わります。相場の数字よりも頼りになるのは、2〜3社からもらった見積書を「中身」で比べることです。
この記事で分かること
- 間取り別の費用の目安(だれが公開している数字か、いつ時点のものか)
- 費用の内訳と、一軒家で高くなりやすい5つの条件
- 見積書で見るところと、追加料金を防ぐ3つの質問
漫画①『さとみさんちの実家じまい日記』「金額が全然ちがう!」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:夜の自宅で、見積書2枚を前に考えこむさとみ
- 2コマ目:さとみ「同じ家なのに、金額が全然ちがう!」
- 3コマ目:スマホのビデオ通話のたくや「安いほうでいいじゃん」
- 4コマ目:ぽん助「ちょっと待つぽん」
- 5コマ目:ぽん助が見積書を指さして「中身を見比べるぽん」
- 6コマ目:さとみ「こっちは『一式』しか書いてない…」
- 7コマ目:たくや「じゃあ、表にして比べてみる」
- 8コマ目:さとみ「お願い!」
一軒家の遺品整理費用の相場(間取り別)
結論:一軒家に多い3LDK・4LDK以上では、20万円前後から数十万円まで幅があります。数字は「だれが、どう集めたか」で違うので、目安として使い、最後は見積書で決めます。
間取り別の目安を公開しているサービスは、いくつかあります。ここでは、算出の方法や時点が書かれている数字を、そのまま紹介します。
① みんなの遺品整理(株式会社LIFULL senior)の目安
| 間取り | 料金の目安 | 作業人数 | 作業時間 |
|---|---|---|---|
| 1LDK | 7万〜20万円 | 2〜4名 | 2〜6時間 |
| 2DK | 9万〜25万円 | 2〜5名 | 2〜6時間 |
| 2LDK | 12万〜30万円 | 3〜6名 | 3〜8時間 |
| 3DK | 15万〜40万円 | 3〜7名 | 4〜10時間 |
| 3LDK | 17万〜50万円 | 4〜8名 | 5〜12時間 |
| 4LDK以上 | 22万〜60万円 | 4〜10名 | 6〜15時間 |
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※出典:みんなの遺品整理「遺品整理費用は一軒家だといくら?」(2026年10月10日閲覧)。同サイトによると、掲載している800社以上の業者のホームページと、3万人以上の利用金額データから算出した数字(2022年8月15日時点)です。1R〜1DKの行は省略しています。
② くらしのマーケット(みんなのマーケット株式会社)に載っている相場
| 間取り | 相場 |
|---|---|
| 1LDK・2DK・3K | 13万〜16万円 |
| 2LDK・3DK・4K | 17万〜20万円 |
| 3LDK・4DK | 21万〜24万円 |
| 4LDK〜 | 25万円〜 |
※出典:くらしのマーケット「遺品整理」(2026年10月10日閲覧)。算出の方法は書かれていません。
2つを並べると、幅の大きさがずいぶん違います。①は「物が少ない家」から「物がとても多い家」まで含めた広い幅、②はサービスに載っている相場の目安です。どちらが正しいというより、「3LDK・4LDKなら20万円前後からが一つの目安で、物が多いと何十万円にもなる」と受け止めておくと、見積もりを見たときに慌てずにすみます。
なお、どちらも業者を探せるサービスの運営会社が公開している数字です。業界団体や国が、遺品整理の相場をまとめて公表しているものは見つかりませんでした(2026年10月10日時点)。
ぽん助相場は『だいたいの地図』だぽん。実際の金額は、家を見てもらって決まるぽん
PR間取りと物の量を伝えて、見積もりを相談できる窓口の例:みんなの遺品整理/遺品整理110番
費用の内訳:何にいくらかかる?
結論:遺品整理の費用は、おおむね「人件費」「車両費・運搬費」「処分費」「オプション」の4つを足したものです。見積書がこの4つに分かれていると、比べやすくなります。
国民生活センターが紹介している相談事例には、実際の見積書の内訳が載っています。母親の遺品整理で、見積金額141,000円の内訳は、スタッフ4人の人件費76,000円、2トントラック1台25,000円、トラック1台分の廃棄物処理代40,000円でした(出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」、2018年7月19日公表)。
ただ、この事例には続きがあります。作業の日、業者はトラック1台分を積むたびに処理代4万円の先払いを求めて何度も往復し、最終的に32万円を請求しました。相談者は、荷物が多ければ追加費用がかかるという説明を見積もりの際に聞いておらず、見積書にも書かれておらず、契約書もなかったそうです(同出典)。内訳と一緒に「追加料金の条件」が書かれているかが、とても大切だと分かる事例です。
人件費
作業するスタッフの人数と時間で決まります。一軒家は部屋数が多く、押し入れや納戸の中身も多いので、人数が増えたり、作業が2日以上になったりしがちです。見積書では「何人で、何日(何時間)」と書かれているかを見ます。
車両費・運搬費
運び出した物を積むトラックの費用です。くらしのマーケットでは、トラック台数の目安を「1部屋分なら2トントラック1台、2LDKや3DKなど4部屋分なら2トントラック4台」としています(出典:くらしのマーケット「遺品整理」)。一軒家では台数が増えやすいので、「何トンのトラックを何台」と書かれているかを確認しましょう。
処分費
運び出した物を処分する費用です。量だけでなく、種類によっても変わります。たとえば、エアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象で、処分にはリサイクル料金と収集運搬料金がかかります(出典:環境省「家電リサイクル法の概要」)。この費用が見積もりに入っているかも聞いておきます。
オプション
供養(お焚き上げなど)、作業後の清掃、庭の手入れ、特殊清掃などは、別料金になっていることがあります。みんなの遺品整理の目安表には、不用品の回収・処分、仕分け、貴重品の捜索、買取品の査定、建物の養生、合同供養、作業後の清掃、人件費、車両と回収運搬費が含まれると書かれています(出典:みんなの遺品整理)。業者によって、どこまでが基本料金に入っているかは違うので、見積書で一つずつ確かめましょう。
一軒家で費用が高くなりやすい5つの条件
結論:①物が多い ②運び出しにくい ③庭・物置・倉庫がある ④特殊清掃が必要 ⑤日程を急ぐ、の5つが重なるほど、費用は上がりやすくなります。
① 物が多い費用をいちばん大きく左右するのは物の量です。同じ間取りでも、長く暮らした家ほど押し入れや納戸、2階の部屋に物がたまっています。
② 運び出しにくい階段しかない2階からの搬出、トラックを家の前に停められない細い道、駐車場所が遠い家などは、人手と時間が増えます。
③ 庭・物置・倉庫がある一軒家ならではなのが、物置や倉庫の中身、庭の植木鉢や農具です。家の中だけの見積もりにならないよう、家の外も見てもらいましょう。
④ 特殊清掃が必要長く空き家になっていた、においや汚れがひどい、といった場合は、通常の清掃とは別に費用がかかることがあります。
⑤ 日程を急ぐ退去や売却の期限が近く、短い期間で終わらせる必要があると、人数を増やして対応することになり、費用が上がる場合があります。期限が分かっているなら、早めに相談するほうが選べる業者も増えます。
当てはまる条件は、見積もりを頼むときに先に伝えておくと、あとからの追加料金を防げます。遠方で何度も帰れない場合の、見積もり用の写真の撮り方は、遠方の実家の遺品整理を立ち会いなしで頼む方法で紹介しています。
見積書はここを見る【図解】
結論:①「一式」だけになっていないか ②追加料金の条件 ③キャンセル料 ④許可(ごみの処分・買取)の4か所に赤丸をつけて読みます。
国民生活センターは、見積書の内容を十分に確認し、料金やキャンセル料、具体的な作業内容を事前に確かめるよう呼びかけています。紹介されている事例には、見積書に「作業日の2日前まで違約金10%」と書かれていたのに説明を受けていなかったケースや、37万円の契約をキャンセルしたら17万円を請求されたケースもあります(出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」)。
見積書で確かめること
- 作業日、スタッフの人数、トラックの大きさと台数が書いてある
- 人件費・車両費・処分費・オプションが分かれている(「一式」だけになっていない)
- 追加料金が出る条件と、そのときの金額・連絡のしかたが書いてある
- キャンセル料がいつから、いくらかかるか書いてある
- 家電リサイクル法の4品目など、処分に別料金がかかる物の扱いが書いてある
- 会社名・住所・電話番号・担当者名がある
- 買取がある場合は、作業費と買取額が分けて書いてある
買取額が差し引かれた見積もりの読み方は、遺品整理と買取は一緒に頼むべき?で詳しく解説しています。
追加料金を防ぐ3つの質問
訪問見積もりの日には、次の3つを聞いておきましょう。答えは口頭だけでなく、見積書に書いてもらうのが確実です。
- 「追加料金が出るのは、どんなときですか?」
- 「キャンセル料は、いつから、いくらですか?」
- 「いまの答えを、見積書に書いてもらえますか?」
漫画②『さとみさんちの実家じまい日記』「書面にしてもらえますか?」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:スタッフ「お見積もりに伺いました」
- 2コマ目:スタッフ「物置も拝見しますね」
- 3コマ目:さとみ「追加料金が出るのはどんなとき?」
- 4コマ目:スタッフ「大きな家具があったときなど。先にご連絡します」
- 5コマ目:さとみ「キャンセル料はいつから?」
- 6コマ目:スタッフ「作業の3日前からです」
- 7コマ目:さとみ「今のお話、見積書に書いてもらえますか?」
- 8コマ目:メモを取るさとみ。窓の外のぽん助「この3つは必ず聞くぽん」
遺品整理の費用を安くする4つの方法
結論:①自分たちで減らす ②2〜3社から見積もりを取る ③自治体の粗大ごみ収集を使う ④買取で差し引いてもらう、の4つです。無理のない範囲で組み合わせます。
① 自分たちで減らす物の量が費用を大きく左右するので、運び出す量が減れば費用も下がりやすくなります。とはいえ、一軒家まるごとを家族だけで片付けるのは大変です。残す物を先に決めて、それ以外は任せる、くらいの分担が現実的です。
② 2〜3社から見積もりを取る国民生活センターも、複数の事業者から見積もりを取るよう呼びかけています(出典:国民生活センター「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」)。比べるときは合計金額だけでなく、人数・トラック台数・処分費・オプションの中身を並べます。
③ 自治体の粗大ごみ収集を使う時間に余裕があるなら、運び出せる家具などを市区町村の粗大ごみ収集に出す方法もあります。出し方や料金は市区町村ごとに違うので、実家のある自治体のホームページで確認しましょう。
④ 買取で差し引いてもらう値段がつく物があれば、買取額を作業費から差し引いてもらえることがあります。比べ方のコツは、遺品整理と買取は一緒に頼むべき?にまとめています。
ぽん助安さだけで決めると、当日の追加料金で高くつくこともあるぽん。中身で比べるぽん
失敗しない業者の選び方(要点だけ)
結論:「ごみの処分の許可」「買取するなら古物商の許可」「書面の見積もり」の3つを確かめれば、大きな失敗は避けやすくなります。
- ごみの処分の許可:家庭のごみ(一般廃棄物)を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要です(出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。自社で許可を持っていない業者は、許可のある業者と連携して処分していることがあるので、「処分はどこが行いますか?」と聞いてみましょう。
- 古物商の許可:買取をしてもらうなら、古物商の許可が必要です。確かめ方は遺品整理と買取は一緒に頼むべき?で紹介しています。
- 書面の見積もり:前の章のチェック項目がそろった見積書を出してくれるかを見ます。
業者とトラブルになったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、身近な消費生活センターなどを案内してもらえます(出典:消費者庁「消費者ホットライン」)。
よくある質問
Q1. 遺品整理の費用は、だれが払うのですか?
決まった一つの答えはなく、家族で話し合って決めることが多い費用です。親が存命で施設に入っているなら、親のお金から払うのか、子どもが立て替えるのかを、親本人と相談して決めましょう。親が亡くなった後なら、相続人であるきょうだいで分担を話し合います。きょうだいでの分け方の考え方は、遠方の実家の遺品整理を立ち会いなしで頼む方法でも紹介しています。
相続放棄を考えている場合は、遺品の処分や、親のお金からの支払いの前に、弁護士・司法書士に相談しておくと安心です。相続人が相続財産を処分すると、相続を認めた(単純承認した)とみなされることがあるためです(出典:民法 第921条(e-Gov法令検索))。
Q2. 一軒家の遺品整理は、何日くらいかかりますか?
みんなの遺品整理の目安表では、3LDKで5〜12時間、4LDK以上で6〜15時間(作業人数4〜10名)とされています(出典:みんなの遺品整理)。物の量や人数によっては、2日以上に分けて作業することもあります。日数と人数は見積書に書いてもらいましょう。
Q3. 不用品回収に頼むのと、何がちがいますか?
遺品整理は、残す物と処分する物の仕分けや、通帳・印鑑などの貴重品探しまで含めて頼めるのが一般的です。どこまで頼めるかは業者によって違うので、見積もりのときに作業内容を確認しましょう。どちらに頼む場合も、家庭のごみの処分には市区町村の許可(または委託)が必要です(出典:環境省)。
Q4. 遺品整理の費用は、相続税から差し引けますか?
国税庁の「相続財産から控除できる葬式費用」には、火葬・埋葬・納骨の費用や、お通夜などの費用が挙げられていますが、遺品整理の費用は挙げられていません(出典:国税庁「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」)。相続税の申告が必要な家で扱いに迷うときは、税務署か税理士に聞くと確実です。
まとめ:相場は目安、決め手は見積書の中身
一軒家の遺品整理の費用は、公開されている目安で3LDKが17万〜50万円、4LDK以上が22万〜60万円(みんなの遺品整理、2022年8月15日時点の算出)と、幅があります。その幅を決めるのは、物の量と運び出しやすさです。
- 相場:数字は「だれが、いつ、どう集めたか」を見て、目安として使う
- 内訳:人件費・車両費・処分費・オプションの4つに分かれているか
- 高くなる条件:物の量、運び出しにくさ、庭・物置、特殊清掃、急ぎ
- 見積書:「一式」だけでないか、追加料金の条件、キャンセル料、許可
- 安くする:自分たちで減らす、2〜3社で比べる、粗大ごみ収集、買取
見積もりが届いたら、合計金額だけで決めずに、中身を並べて比べてみてください。実家じまい全体の進め方は、実家じまいは何から始める?最初の30日でやる7ステップで紹介しています。
この記事を書いた人・運営者情報
- 執筆:さとみ(やさしい終活ノート編集部)。親の終活・実家じまいについて、公的機関の情報をもとに、漫画と図解でわかりやすく整理して発信しています。
- 運営:やさしい終活ノート(運営者情報/お問い合わせ)
- このサイトについて:費用や手続きは公的機関の情報で確かめています。広告には「PR」と表示し、漫画はフィクションです(広告掲載ポリシー)。
参考資料(2026年10月10日閲覧)
- みんなの遺品整理(株式会社LIFULL senior)「遺品整理費用は一軒家だといくら?相場や実例から見る金額、料金の内訳まで」(更新日:2026年1月28日、表は2022年8月15日時点の算出) https://m-ihinseiri.jp/article-1/ihinseiri/cost/ikkenya/
- くらしのマーケット「遺品整理」 https://curama.jp/rip/
- 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています-」(2018年7月19日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180719_1.html
- 国民生活センター「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」(見守り新鮮情報 第525号) https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen525.html
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html
- 環境省「家電リサイクル法の概要」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/gaiyo.html
- 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
- 国税庁「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4129.htm
- 民法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
更新履歴
- 2026年10月10日:記事を公開しました