親が互助会に入っているとわかったら、親が元気なうちに次の3つを確かめておくと、いざというとき慌てません。
- どこの互助会か(会社名・連絡先・加入者番号)
- どのコースで、いくら払い込んでいるか(満期かどうか)
- 何に使えて、何は別料金か(契約に入っている範囲)
あわせて、親がどこでどんな葬儀を望んでいるかも聞いておきます。互助会を使うかどうかは、そこから決めればいいのです。
漫画①『さとみさんちの実家じまい日記』「互助会にも入ってるのよ」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:居間のたんすの引き出しから証書を出すふみ「そうそう、互助会にも入ってるのよ」
- 2コマ目:目を丸くするさとみ「えっ、いつから?」
- 3コマ目:タブレットのビデオ通話のたくや「それって、何に使えるの?」
- 4コマ目:ぽん助「まずは証書で3つ確かめるぽん」
互助会とは?しくみを1枚で【図解】
結論:毎月の掛金を前払いで積み立てて、葬儀や結婚式を会員として受けられる仕組みです。積み立てたお金で、葬儀の全部をまかなえるとは限りません。
冠婚葬祭互助会は、代金を前払いで分割して受け取る取引として、割賦販売法で経済産業大臣の許可が必要とされています。預かった前受金の2分の1にあたる額を保全することも義務になっています(経済産業省)。
互助会の業界団体(全日本冠婚葬祭互助協会、以下「全互協」)によると、契約には「契約に入っているサービス」と「契約に入っていないサービス」があり、加入するときに説明することになっています。祭壇や式場のほか、料理・返礼品・お布施などが別になることもあるので、コースの中身を確かめておくことが大切です。
メリット・デメリット【比較】
結論:「葬儀をどこに頼むか迷わずにすむ」のが一番の良さ。「会社とコースが決まっている」「解約に手数料がかかる」のが注意点です。
| メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|
| 毎月少しずつ備えられる | 積み立てだけで葬儀の全部はまかなえないことが多い |
| 会員として葬儀を受けられ、頼む先に迷わない | その互助会の式場・サービスを使うのが前提 |
| 払い込みの途中でも使える | 積立金に利息はつかない |
| 引っ越しても、加盟互助会なら移籍できる場合がある | 解約すると手数料が差し引かれる |
全互協の説明では、加盟互助会の掛金に使用期限はなく、契約したときの掛金の額は払い込みが終わるまで変わりません。
親の互助会、どこを見ればわかる?
結論:証書(加入者証)がなくても、通帳の引き落としや郵便物から会社がわかることがあります。
- 証書・加入者証:たんすや仏壇の引き出し、大事な書類の箱
- 通帳:毎月の引き落とし(会社名が出ることが多い)
- 郵便物:会報、イベントの案内、満期のお知らせ
- 親に聞く:「いつ、誰と入ったか」も一緒に
会社がわかったら、親と一緒に電話して、コース名・払い込んだ額・使える範囲を聞きます。家族が問い合わせると、本人確認のため本人の同意を求められることがあるので、親が元気なうちに一緒に聞いておくのが近道です。
漫画②『さとみさんちの実家じまい日記』「積み立てで全部、とは限らない」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:通帳を見るさとみ「毎月、引き落としがある」
- 2コマ目:なつかしそうなふみ「お父さんと一緒に入ったのよ」
- 3コマ目:電話をかけるさとみ「コースと、使える範囲を教えてください」
- 4コマ目:ぽん助「積み立てで全部まかなえるとは限らないぽん」
互助会の話のついでに、親に聞いておきたい葬儀の希望
結論:互助会を使うかどうかは、親の希望しだいです。証書を見たついでに、葬儀の希望も5つだけ聞いておきます。
- 頼みたい所:互助会の式場か、ほかに考えている所があるか
- 大きさ:家族だけか、親戚や友人にも来てほしいか
- お寺や宗教:菩提寺があるか、宗派は何か
- 知らせてほしい人:親戚・友人の名前と連絡先
- 写真:遺影に使ってほしい写真
「縁起でもない」と言われそうなら、「互助会の証書が出てきたから、念のため」と、目の前の物をきっかけにすると話しやすくなります。聞いたことは、エンディングノートや1枚のメモに書いて、家族で同じものを持っておきましょう。
使う・続ける・解約・移籍:4つの選択肢
結論:親の希望に合っていれば「使う・続ける」。住む場所が変わるなら「移籍」。使う予定がなければ「解約」も選べます。
| 選択肢 | 向いている場合 | 確かめること |
|---|---|---|
| 使う・続ける | 親がその式場でお願いしたいと言っている | 契約外の費用の目安 |
| 移籍 | 親が子の近くへ引っ越す・施設に入る | 移る先に加盟互助会があるか。サービスは移る先の約款になる |
| 家族が使う | 同居の家族の葬儀・結婚式に使いたい | 誰が使えるか(加盟互助会では同居の家族も使える) |
| 解約 | 別の形の葬儀を望んでいる | 手数料と返金額、返金の時期 |
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移籍は、全互協の加盟互助会(全国195社・2026年6月現在)のあいだで、引っ越し先の互助会が引き受ける場合にできる仕組みです。それまでの掛金は生かされます。
解約するときの流れと、手数料の考え方
結論:解約はできますが、払い込んだ額から手数料が引かれます。返金額が約款どおりかを確かめ、納得できなければ消費生活センターに相談します。
- 互助会に電話して解約を伝える(窓口は約款に書いてあります)
- 本人確認の書類を出す(家族が申し出るときは、本人の意思を確かめる書類を求められることも)
- 払い込んだ額から所定の手数料を引いた額が、本人の口座に振り込まれる
全互協の加盟互助会では、2001年4月1日以降の契約の解約返戻金は、申し出から45日以内に振り込むことになっています。契約から8日間はクーリング・オフもできます。
「解約手数料は違法では?」という声もありますが、手数料は契約の約款で決まっています。新潟県の相談事例でも、返金額が約款どおりに計算されているかを確かめ、わからない点は事業者に説明を求めるよう助言しています。それでも納得できないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターにつながります。
親が亡くなったあとに気づいたら
結論:相続人が名義を引き継いでから、使うか解約するかを決めます。別の葬儀社で葬儀をすませたあとでも解約できます。
全互協によると、名義変更には、法定相続人を確かめる戸籍(除籍)謄本と、誰が契約を引き継ぐかがわかる書面(遺言書、遺産分割協議書、相続人全員の同意書のどれか)が要ります。気づかずに別の葬儀社で葬儀をした場合も、いったん名義を引き継いだうえで解約を申し出ることができます。
亡くなったあとの手続き全体の流れは、遺品整理はいつから始める?の「亡くなってからのタイムライン」も参考にしてください。
これから入るか迷う人へ:入る前のチェック
結論:近くに使いたい式場があるか、コースに何が入っているか、やめるときどうなるかの3つを、資料で比べてから決めます。
- 使いたい式場が近くにあるか(親の家・子の家の両方)
- コースに入っているもの・入っていないもの
- 月の掛金と、払い込みの回数
- 解約するときの手数料と返金の時期
- 引っ越したときに移籍できるか
互助会は会社ごとにコースも式場も違います。いくつかの資料を取り寄せて比べると、違いがわかりやすくなります。
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漫画③『さとみさんちの実家じまい日記』「決めるのは、お母さんの気持ちから」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:タブレットのビデオ通話のたくや「解約したら損なの?」
- 2コマ目:資料を見るさとみ「手数料が引かれるんだって」
- 3コマ目:胸に手を当てるふみ「私は、ここでお願いしたいの」
- 4コマ目:ぽん助「決めるのは、お母さんの気持ちからだぽん」
よくある質問
Q1. 互助会に入っていれば、葬儀代はかからないのですか?
かからないとは限りません。コースに入っていないもの(料理・返礼品・お布施など)は別にかかることが多いです。コースの中身と、追加になりやすいものを互助会に聞いておきましょう。
Q2. 親が施設に入ったら、互助会はどうなりますか?
施設に入っても契約はそのままです。施設が別の地域なら、移籍できるか互助会に聞いてみます。施設に入ったときの実家の片付けは、親が施設に入ったら実家の片付けはどうする?にまとめています。
Q3. 証書をなくしていても、使えますか?
会社がわかれば、本人確認のうえで手続きできることが多いです。まずは互助会に問い合わせて、必要な書類を聞きましょう。
Q4. きょうだいのうち、誰が契約を引き継ぐのですか?
亡くなったあとに名義を引き継ぐ人は、相続人のあいだで決めます。互助会には、誰が引き継ぐかがわかる書面(遺言書・遺産分割協議書・相続人全員の同意書のどれか)を出します。使うか解約するかも含めて、きょうだいで話してから手続きすると、あとでもめにくくなります。
まとめ:互助会は「中身を知ってから」使うか決める
- 確かめる:どこの互助会か、どのコースでいくらか、何に使えるか
- 親に聞く:どこでどんな葬儀を望んでいるか
- 決める:使う・移籍・解約。解約の手数料で迷ったら188へ
親が元気なうちにしておきたいことの全体は、一人暮らしの親が心配になったら最初にやる5つにもまとめています。
この記事を書いた人・運営者情報
- 執筆:さとみ(やさしい終活ノート編集部)。親の終活・実家じまいについて、公的機関の情報をもとに、漫画と図解でわかりやすく整理して発信しています。
- 運営:やさしい終活ノート(運営者情報/お問い合わせ)
- このサイトについて:制度は経済産業省・業界団体・自治体の公表している情報で確かめています。広告には「PR」と表示し、漫画はフィクションです(広告掲載ポリシー)。契約の判断で迷ったら、消費生活センター(188)にご相談ください。
参考資料(2026年10月10日閲覧)
- 経済産業省「前払式取引」 https://www.meti.go.jp/policy/economy/consumer/credit/maebarai.html
- 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「全互協Q&A」 https://www.zengokyo.or.jp/about/zengokyo/qa/ 、「加盟互助会の約款の監修・見積書のモデル案の作成」 https://www.zengokyo.or.jp/safety-security/agreement/
- 新潟県「【相談事例】冠婚葬祭互助会契約のトラブル」 https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/shohiseikatsu/1356920768675.html
- 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
- ごじょクル(互助会の検索・資料請求サイト) https://www.gojyokuru.net/frm/top
更新履歴
- 2026年10月14日:記事を公開しました